うちに勤めていた事務員さんなのですが・・・・ [変わった人]

採用ネタをもうひとつ。

昔の話。

4年位前の話。
一人の女性を一般事務職で採用しました。
当時は会社を独立したばかりで事務員さんもいなく、前社長と話し合いチラシを投函し、そのチラシの隙間にアルバイト・パート募集の欄を掲載しました。

来た女性は、品のある奥様でした。
エクセルが使用出来るという事でしたし、当時は今ほど事務処理も大変ではなかったので、即採用という形になりました。

でも、この女性がとんでもない人でした。

その女性は会社まで自転車で通勤していました。そんなある日の事。
僕が会社の玄関先を掃除していると、彼女が自転車でやって来ました。自転車に乗っている彼女と目が合ったので、「おはようございます(^^)」と挨拶すると、彼女はこちらにお辞儀して通り過ぎていきました。

・・・・・・
15分経っても戻って来ません。というか会社に来ません。自転車置き場は会社から1分も離れていないのに出社時間をすでに10分も経過しているのです。

僕は、一緒に掃除していた後輩に聞きました。「さっきの岩木さんだったよね?」
後輩は、はい。と返答しました。
だよなぁ・・・・さっき見たのは岩木さんだったよなぁ。
社長も不思議そうに聞いて来ました。「あの子は、何処に行ったの?」
僕が聞きたいくらいですよ。と返事した。

で、その15分後、電話が鳴りました。
『すみません岩木ですが、会社の場所を忘れてしまい・・・・』めちゃくちゃ息切れしている彼女。
??????????
沢山の?が、事務所の空間に飛び散っていました。
「さっき、挨拶したよね?」
『はい。』
で、今は駅の付近を彷徨っているという。
駅って、どこの?と思いました。
駅名を聞くと、祖師ヶ谷大蔵駅という。
どこを走ったらその駅に向かうの?と思う駅でした。逆にその駅に着いた事が凄過ぎる。
結局、その30分後に会社に着きました。

で、またある日の出来事。
会社で仕事をしていると、玄関を叩く音がしました。
開けてみると、会社の隣の奥様でした。
「すみません、もし間違っていたらすみませんが、お宅の社員さんの自転車じゃないですか?」と言われました。
事情を聴くと、お隣の家と塀の間の隙間に数日前から自転車が置いてあるとの事。
僕も今まで見たことの無い自転車だったのですが、もしかしたら岩木さんのかなぁと思い、本人にも一応確認すると・・・・
『私のではありません。違います!』と言われました。
「申し訳ありません。うちの会社の社員の自転車ではないですね。」と奥様に返事しました。
奥さんも納得し、「それでは警察に連絡した方が良いですかね?」と相談されたので、僕は警察がいいですよ、不法侵入ですからねと言って、奥さんは僕の目の前でポケットから取り出した携帯電話で警察に連絡をしていました。10分後、チャリンコに乗った警察がやって来ました。
警察は、無線で調べた自転車の登録番号等を報告し、登録者を調べていました。

その後、警察官が言いました。
「こちらの自転車、杉並区久我山にお住まいの方の自転車のようですね。」
???????????
ん?それは、うちの事務員さんが来ている地区名ですが・・・・
「あのぉ~、ちょっと待ってもらって良いですか?」と言って、僕はすぐに事務所に戻り、岩木さんを呼びました。
で、岩木さん登場。
するといきなり!
『それ、私の自転車ですけど!』と言って、自転車を警察から奪い取るように引きずり取ると、会社の自転車スペースに止めて、事務所へ戻って行きました。

お~い。謝罪は?岩木さ~ん。
と思ったけど、KYな人みたいで、代わりに僕が謝りました。



で、またまたある日の出来事。
会社で設計していると、会社に出入りしている保険屋さんが来ました。
「こんにちわ~。」と言って、普通に上がってきました。もう5年のお付き合いの気の知れた保険屋さんだったので、問題ないのですが、岩木さんが突然!
「勝手に上がってきて、何なんですか!!」と怒鳴りつけました。
僕は、すぐに止めました。
「岩木さん、この人はいつも来てくれている人だから良いんですよ。」と言うと、岩木さんが言いました。
『私に近寄らないで下さい。私、保険の方、大っ嫌いですから。』と言って、デスクに戻りました。
僕は、気にしないで良いよ。と言って、普通に会話をして帰しました。
ここからが、この事務員さんの変な行動なんです。その保険屋さんが他の人のデスクに置いていった飴を勝手に食べ始めたのです。
普通なら、食べないですよね。それを平気で舐めているのです。

思わず「さっき、あんなに毛嫌いしたのに・・・・」と言うと、彼女は「そんな気にしないで下さい(^^)」と言いました。

常識は無いのか?と思ったけど、一番ビックリしたのは、一番大切な請求書作成に関する事でした。

なんと、請求書の雛形が彼女オリジナルの請求書に変わっていたのです。
しかも会社で使用している雛形を勝手に作り変えていました。
そして、「こっちの方が良いですよね。」と一言。

その3日後、彼女は会社を辞めていきました。
本当に変わった事務員さんでした。


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コメント 3

水丸 岳

うちでは、その手の方を『神様』と呼んでます。
もちろん、手を触れてはいけません。(^m^)

by 水丸 岳 (2012-11-30 19:13) 

弁慶

小説読んでいるようです^^

by 弁慶 (2012-11-30 21:11) 

マルベリー 財布

匿名なのに、私には誰だか分かる・・・(^_^;)ありがとう。。。
by マルベリー 財布 (2013-06-29 17:57) 

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